要介護2で必要な在宅介護の費用

在宅介護を選択する際、要介護2に該当する方の費用について、どのようなデイサービスが利用できるのか、ホームヘルパーをどのくらいの頻度で頼むべきか、それに伴う費用がどの程度なのかなど、介護にまつわる費用と言うのは気になる部分が多いでしょう。
また、要介護2と言っても、大家族の場合や一人暮らしの人もあり、毎月発生する費用においては様々なケースがあると思います。しかし、最終的には在宅介護を可能にするためのサービスと、効率的な利用方法を見つけることで、家族や本人が安心して暮らせる情報になります。
※記載されている費用については、地域や施設により変わりますので、厚生労働省のサイトやケアマネージャーなどで確認をしてください。
出典:厚生労働省
■介護事業所・生活関連情報検索「公表されている介護サービスについて」
■介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス概算料金の試算」
在宅介護における要介護2の費用とその内訳
※負担額は、すべて「1割負担」で記載しています。
要介護2で、デイサービスを利用した場合の負担額
要介護2になると、デイサービスの利用が多くの方にとって重要な選択肢となります。デイサービスは、食事や入浴、リハビリの提供を行うサービスですが、在宅介護における家族の負担軽減にも多いに貢献します。

母が要介護2の時に、週2回の利用でしたが、デイサービスに支払った費用明細の金額です(2015年当時)
デイサービス1回の利用で必要な費用(要介護2)
- 利用料:月8回 6,600円
- 食事代(8食)5,840円
- 合計12,440円
- 一日あたり、1,555円
その他、レクリエーション等で必要があった場合は、実費になります。また、紙パンツなどの日用品も実費精算になるので、必要な場合は自分で用意したほうが良いでしょう。
要介護2で訪問介護で利用した場合の負担額
訪問介護では、身体介護と生活援助という二つの主要なカテゴリがあり、料金はこのサービスの種類や提供時間に応じて異なります。
- 身体介護: 利用1回につき163円~567円(利用時間による)
- 生活援助: 利用1回につき179円・220円(利用時間による)

要介護1の母が、2024年に利用した「昼食の介助」で利用した訪問介護の負担額を記載しておきます(1回50分程度)
- 月23日利用 合計6,323円(1回あたりの利用料 約275円)
要介護2で訪問入浴を利用した場合の負担額
我が家の場合は、私が母の入浴介助をしていますので利用したことはないですが、一人暮らしや家族の負担が大きい場合は、とても助かるサービスでしょう。
- 訪問入浴1回利用 1,266円
要介護2で訪問看護を利用した場合の負担額
身体的な理由や一人暮らし、また、医療施設に行くことが困難な場合に、血圧、脈拍、体温などの測定や病状のチェックなどを行ってもらいます。特に、一人暮らしの場合は、健康のチェックが出来ていない場合は、定期的に利用して異常がないかを診てもらいましょう。
※要支援・要介護のいずれの認定を受けても利用者負担は同額です。
訪問看護ステーションから
- 訪問介護1回利用 314円~1,128円(利用時間による)
- 理学療法士など利用した場合 294円(20分以上)
病院または診療所から
- 訪問介護1回利用 266円~844円(利用時間による)

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要介護2でショートステイを利用した場合の負担額
ショートステイは、利用者が心身ともに状態が良くない場合や、家族介護者が一時的に自宅を離れたり、或いは介護疲れで精神的に疲れている場合に利用できるサービスです。泊りで利用できるので、在宅での家族介護者であっても旅行に行ったり、冠婚葬祭などで遠方へ泊りがけで行くような場合は、非常に助かるサービスと言えます。
ただし、居住費・食費・日用品などは自己負担となり、特に居住費は一律の基準が設けられていないので、負担額が高くなる場合があります。
介護保険が適用されるサービスの負担額
- 併設型・多床室の場合 1日の利用 672円
※併設型・多床室とは、介護老人福祉施設に併設されているショートステイで、複数人数での相部屋で利用する意味です。
保険適用がないが必要になる負担額
- 居住費 数百円~5,000円(施設による)
- 食費(3食+おやつ) 1,000~2,000円程度(施設による)
- 日用品 数百円

私が離職する前、ケアマネージャーさんにショートステイの見積もりをしてもらいましたが、東京23区だと居住費が5,000円位かかり、月に20日で10万円以上になったので諦めました。なお、低所得者向けに「介護保険負担限度額認定証」の制度で、居住費や食費が軽減される場合があります。
介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)やショートステイを利用する方の食費・居住費については、低所得の方への補助(補足給付)を行っています。
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在宅介護で要介護2の様々なケアプラン例
※実際のケアプランについては、ケアマネージャーに相談してケアプランを自己負担無しで作成してもらえます。
一人暮らしの場合のケアプラン例と費用の目安
在宅介護で、要介護2の方が一人暮らしを続けるための基本的なケアプランとしては、デイサービスの定期利用や訪問介護・訪問看護の活用でしょう。週に数回のデイサービス利用は、日常生活のサポートやリハビリを行うことで、心身とも健康を保つことができます。
そして、訪問介護では、身体介護や生活援助を必要に応じて取り入れることができます。また、自分で医療機関に行けない場合などは、訪問看護を利用して日常の健康チェックをしてもらうことができます。
1ヶ月の利用した場合の負担額の目安
- デイサービス: 週に3回利用 1,500円×12回=18,000円
- 訪問介護: 昼食介助1時間程度を週に5回利用 270円×20回=5,400円
- 訪問入浴: 週に2回利用 1,300円×8回=10,400円
- 訪問看護: 週に1回30分~1時間程度 800円×4=3,200円
- 合計: 37,000円
認知症に対するケアプラン例(家族介護)
要介護2での認知症ケアプランは、認知症の進行状況に応じてケアプランを立てることが重要になります。もし、身体的に大きな問題がなければ、在宅で家族が介護をすることも可能だと思いますが、デイサービスでの利用を中心に、外出して精神的に楽しかったり落ち着いた環境を作ってあげることが大切だと思いますので、ショートステイなどのを利用して生活にメリハリをつけつことも良いのではないでしょうか。
1ヶ月の利用した場合の負担額の目安
- デイサービス: 週に2回利用 1,500円×8回=12,000円
- ショートステイ: 月に2回利用 5,500円×2=11,000円
- 合計: 23,000円

母の時は、デイサービスのみのプランで、最初はあまり行きたくなかったようですが、次第に楽しくなってきたようで、いつのまにか行くのが楽しみになっていました。

要介護2のケアプランは幅が広い
要介護2の認定を受ける人の幅は広いと感じます。体が元気で日常生活では何も問題がないとしても、医療機関で認知症と診断されれば、私の母のように要介護2と判定されることがあります。また、認知機能も正常で体も元気だけど、歩くことにある程度支障がある場合も要介護2に認定されることが多いように感じます。
しかし、この要介護2が「介護度数の分岐点」であり、いくら元気で大丈夫そうに見えても、これ以上介護度数が上がってしまうと、日常生活に大きな支障が出るような状態になる可能性があります。適切な介護サービスを利用しながら、将来の要介護度数が上がらないように、予防を考えていくことが大切ではないでしょうか。
